

「国民の健康の観点から、タバコの消費を抑制するため」に、政府税制調査会は10月1日から、1本あたり約3.5円のタバコ税引き上げを実施する。それを受けて、日本たばこ産業(JT)は1箱あたり110~140円の値上げを決定。値上げは、全105銘柄のうち、103銘柄に及び、「マイルドセブン」は現行の1箱300円から410円に、「セブンスター」は300円から440円に。値上げ幅は過去最高となる。海外のタバコの価格設定からすると、タバコ1箱が500円を超える日もそう遠くないだろうと予想される。
タバコ増税を前に“禁煙宣言”する人たちもにわかに増えている。が、決心も虚しく、既に脱落者も現れ始めているようだ。そもそもいったい、何が禁煙をこれほど困難なものにしているのだろうか。
「禁煙できないのは、決して意志が弱いからではありません。喫煙習慣は、タバコに含まれる有害物質ニコチンによる“立派”な物質依存です」と話すのは、東京女子医大病院、同付属女性生涯健康センターで「禁煙外来」を担当する内科医の阿部眞弓先生。禁煙外来とは、その名の通り、タバコをやめたい人のための専門外来で、禁煙意識の高まりとともに、近年増加している。阿部先生は、その禁煙医療の草分け的存在であり、オピニオンリーダーの一人だ。
「ニコチンは、脳の快感物質ドーパミンの放出に作用します。喫煙者の血中ニコチン濃度が一定以上低くなると、集中力の低下やイライラなどの離脱症状(禁断症状)が現れ、この不快な症状を抑えるために、タバコを吸い続けるという悪循環に陥るのです」
まさに、脳がニコチンに支配された状態といえよう。
0~3点(依存度:低)…吸いたくなった時の対処法など、禁煙のポイントやコツを知ることで、比較的楽にタバコがやめられる。
4~6点(依存度:中)…ニコチンの離脱症状が強ければ、ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助剤を使うのもよい。
7~10点(依存度:高)…強い離脱症状が出ることが予想される。禁煙補助薬の利用や禁煙外来の受診も検討したい。
禁煙を困難にするもう一つの理由は「心理的依存」。起床後、食後、会議中など、日常生活の中にパターンとして組み込まれてしまった喫煙習慣がこれだ。この「心理的依存」の厄介さは、身体的な「ニコチン依存」以上ともいわれている。