

「住民税が高い!」と思ったことはないだろうか? そもそも住民税って何? 住むだけでお金がかかってしまう住民税は最も身近な税金のはずなのに意外とその実態は知られていない。今回は住民税の実態と意外な事実を徹底リサーチ! 税金との賢い付き合い方とは!?
所得税に消費税、自動車税に固定資産税、そして住民税……。身の回りに無数にある悩みの種・税金。虎の子の給料を減らす憎い存在だが、特に「よくわからない」という声が多いのが住民税だ。いくさのためにはまず敵を知っておこう。所得税などを納めるのは税務署で、これは国税になる。一方、固定資産税や自動車税、住民税などを収めるのは税務署ではない。これは自治体に納める地方税なのだ。住民税には市町村民税と都道府県民税がある。市町村民税は各市町村、都道府県民税は各都道府県の運営に用いられる税金であり、市町村と都道府県に別々に納めるの? という誤解が出やすいが、ふたつとも市町村に一括して納めることになる。では、住民税がどのように決められるのだろうか。納付する税額は、「所得割」と「均等割」を合計した金額だ。所得割とは前年の1月から12月までの所得に応じて計算される税金。「均等割」は定められた額で一律に課される税金だ。2007年以降の「所得割」は、市町村民税が所得の6%、都道府県民税が所得の4%、合計で10%分を支払うことになる。「均等割」は市町村民税が3000円、都道府県民税が1000円で合計4000円が普通だ。所得の10%+4000円と覚えておこう。
引っ越した場合、元々住んでいた自治体と引っ越し先の自治体両方に住民税を払う必要があるのだろうか。住民税は、その年の1月1日の段階で居住していた自治体から課税される。つまり1月1日現在で居住していた市町村に全額納付し、引っ越し先の自治体に納付するのは翌年からになるのだ。
近年、不況により自治体の税収が激減していると言われている。私たちの住民税がもしも支払われなくなったら市の運営がどうなってしまうのか、シミュレーションしてみよう。住民税などの市税は、生活保護や介護保険、市立小中学校の運営、市内の設備の整備などに用いられる。少々極端だが、その費用が途絶えてしまったら、学校は機能しなくなり、街灯は灯らず、ゴミ集積場には回収されないままのゴミが溢れかえってしまい、街は荒れ放題になってしまうだろう。もちろん市民サービスは住民税だけが財源というわけではない。しかし私たちが支払う税金の中で最も身近なもののひとつである住民税は決して無視できない財源なのだ。また、住民税をずっと滞納し続けてしまったらどうなるのだろう。実は、恐ろしいことが待っている。滞納が重なると延滞金が加算されてしまう。延滞金は納期限の翌日から納付の日まで年14.6%の利率で計算される。ただし最初1ヶ月は4.7%となっている。最初の1ヶ月間は利率が低いが、2ヶ月目以降は利率が上がってしまうのだ。なるべく早く支払うことが肝心だ。またそれでも支払われない場合、強制徴収される場合もある。特に近年は、家財道具を差し押さえるなど徴収を強化する自治体が増えつつある。自分にどれくらいの税金がかかっているかを理解して、節度を持って家計をやりくり、無理なく税金を支払っていくに越したことはないようだ。
住民税で困ったことが起きるのは、転職やリストラ、結婚や定年退職などによって、これまで会社員として働いていた人々が退職した翌年です。住民税は前年の所得をもとに計算されます。つまり、平成22年度の住民税は、前年、平成21年分の所得から計算され、失業中(あるいは休職中)などの事情により、平成22年に収入がない状態でも課税されるのです。働いているときや稼ぎがあるときに、税金を取られても納得感がありますよね。仕事を辞めた後、またはなくした後になって、働いていたときの所得をベースにした住民税がかかってくるので、何も知らなければ混乱しますし、もしも蓄えがない場合は大変なことになってしまいます。この住民税の仕組みは意外と知られていません。何故かというと、それは会社員は年末調整を会社に「やってもらえる」という意識があるためです。会社に年末調整をしてもらっても、本人が源泉徴収を読めるとは限らないし、控除など年末調整の際に出す書式の仕組みを明確に説明できる人は少ない。前提として分かっていて当たり前という意識が一般的なので、放置されたまま話が進んでいるのです。だから通知された住民税だけをみて、なぜ? と思ってしまうんですね。
そこで大切になってくるのが確定申告です。住民税のコワいところは現在の状況に関わらず課税されるだけではありません。特に中途退職者は確定申告をしていない場合、退職した翌年の税金は多めに取られてしまう可能性が出てくるのです。どうすれば損をしていることがわかるのでしょうか。源泉徴収票を見てください。中途退職した方の源泉徴収票は年の初めから退職日までの月々の給与明細を集計しただけのものにすぎません。このデータをもとに住民税が課税されるのですが、このデータには退職後に支払った国民健康保険や国民年金などが反映されていません。それもそのはずで、会社では退職日から後のことは関知していないので、会社が発行した源泉徴収票に記載されることはないのです。保険料などを払っているのであれば、源泉徴収票に記載されている社会保険料控除の金額は正しいとはいえず、もっと多額となり、住民税の計算においても考慮されないままとなります。退職後に支払った保険料などを源泉徴収票に反映させるためにも確定申告をすることが肝心です。控除についても詳しく知っておく必要があります。特に高齢者の方の場合は、寡婦控除(寡夫控除)など課税額に反映されていない控除がある場合もありますから。
| 住民税の控除一覧 | |
|---|---|
| 雑損控除 | 次のいずれか多い額 (1)損失額-総所得金額等×10% (2)災害関連支出の金額-50,000円 |
| 医療費控除 (控除限度額は200万円) |
1年間の間に支払った医療費 (保険金等の補てん額を除く)から 総所得金額等 ×5% (10万円超のときは10万円) を引いた額 |
| 社会保険料控除 | 1年間の間に支払った額 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 1年間の間に支払った額 |
| 生命保険料控除 | 一般の生命保険料は最高35,000円 個人年金保険料は最高35,000円 |
| 地震保険料控除 | 最高25,000円 |
| 障害者控除 | 本人・配偶者・扶養親族(一人につき)26万円 ただし、特別障害者の場合は30万円 |
| 寡婦(夫)控除 | 所得要件あり。本人が寡婦又は寡夫の場合26万円 ただし、特定の寡婦(前年の合計所得金額が500万円以下 で扶養親族の子がいる場合)は30万円 |
| 勤労学生控除(所得要件あり) | 本人が勤労学生26万円 |
| 配偶者控除(いずれも所得要件あり) | (1)一般の配偶者は33万円 ただし、同居特別障害者の場合は56万円 (2)70歳以上の配偶者は38万円 ただし同居特別障害者の場合は61万円 |
| 配偶者特別控除(所得要件あり) | 最高33万円 |
| 扶養控除 (いずれも所得要件あり) |
(1)一般の扶養親族は33万円 ただし、同居特別障害者の場合は56万円 (2)特定扶養親族(16歳以上23歳未満の扶養親族)は45万円 ただし、同居特別障害者の場合は68万円 (3)70歳以上の扶養親族は38万円 ただし、同居特別障害者の場合は61万円 (4)70歳以上の同居の親等は45万円 ただし、同居特別障害者の場合は68万円 |
| 基礎控除 | 33万円 |
もしも退職した場合、その翌年には確定申告をしてください。これは対症療法で、人生の中で税金について損をしないためには、常識を疑うことが大切です。別の言い方をすれば税金に対して「ツッコミ」をいれる姿勢を持つことです。例えば税金のルールでよく知られているもので、「年間収入が103万円までなら所得税は無税」というものがあります。でも何故なんでしょう。これは厳密には嘘なのです。103万円まで無税というのは103万円から給与所得控除65万円(パート所得者の場合)を引くと38万円残ります。さらにここから基礎控除38万円を引くと0円になるので、0に何%の税率をかけても0という仕組みなのです(給与所得者にのみあてはまる話で年金生活者にはあてはまりません)。常識とされていることに「ちょっと待って」とツッコミをいれてみることが税金で損をしないためのコツです。
自分の税金がどうなっているかを確認するために、税理士に相談して、転職や結婚、退職など人生の節目節目で自分の税金がどうなっているかを確認することも手段のひとつです。税理士は一般の方にはあまりなじみはありませんが、お医者さんのように考えていただければわかりやすいと思います。病気がないかどうかお医者さんに診てもらうように、税金の具合を診断させてみるのは、税金と付き合う上でとても効果的です。

