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メインインタビュー : ドン小西 第1話 Vol.12 - OCN TODAY

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メインインタビュー

ドン小西 第1話

ドン小西の~細胞にしみこんだ、その個性に目を向けろ~講座 第1回

「グローバル化って、アイデンティティが
なくなるってことなんだよ」

ファッションは時代を映す鏡。ならば、ファッションに活力が戻れば、日本社会も元気になるはず! そこで、2011年トップバッターとしてご登場願ったのが、激辛ファッションコメンテーターとして知られるドン小西さんだ。還暦ホヤホヤの60歳。丸くなるどころか、ますます鋭さを増す毒舌で、ローカルからグローバルまでノンストップで斬りまくる、“元祖・おしゃれ番長”の新年ファッション講義を傾聴しよう!

地方とトーキョーの平均化なんて、おもしろくもなんともないよ!

── 始まったばかりの2011年ニッポン! 今年はファッションでこの国を明るくしよう! ということで、ファッションデザイナーのドン小西さんをお招きしております。小西さん、どうぞ!

ドン小西:「あのさ、俺、いまのファッションの状況見てると、もう、だんだん気持ちが滅入っちゃって」

── ええっ! ちょっと、のっけから何ですか? 小西さんがそんなこと言うなんて!

ドン小西:「グローバル化とデジタル化。この二つが、僕らの業界をむしばんじゃった。勘違いしてる人も多いけどさ、グローバル化ってアイデンティティがなくなることなんだよ」

── 無理やり訳すと「地球規模」「世界規模」を意味する「グローバル」という言葉。この言葉が、マイナスイメージで語られるようになってから久しいですよね。

ドン小西:「俺さ、テレビの仕事で北海道行って、次の週に沖縄に行って、2日後に長野の山奥行ったりするんだけど、駅前で目にする女の子が、みーんな同じファッションなんだよ」

── そういえば最近、ダサい女子っていなくなりましたね。

ドン小西:「メシも同じ。北海道でも沖縄でも長野でも、AD(アシスタント・ディレクター)がロケに持ってくるのは全部セブンイレブン。鮭のおにぎりとサンドイッチ、ペットボトルのお茶も一緒。たまにおでん」

── 黄金メニューですよね、セブンイレブン的には(笑)。

ドン小西:「俺の地元の三重の駅前なんか、もう"リトル・トーキョー"だよ。シアトル系のコーヒーショップの、ちょっとダサいやつ? があってさ(笑)。看板のロゴから紙袋から全部、東京と一緒。従業員も、そこに出入りする客のファッションも、向いているところ、価値観が怖いぐらい同じなんだよね」

── それって、かなりヤバい状況ですよね。

ドン小西:「で、実家で妹が『ここの店、おいしいよ!』って出してきた食い物は、東京のチェーン店のもの。夜に一杯飲みに行くと、バーはみんな何年か前の東京のコピーで。おもしろくもなんともないよ。津波に遭ってクルマすっ飛ばしたけど、次の日行った先で同じ津波に追いつかれちゃった、みたいなもんでさ(笑)、ああ、また水かぶっちゃったよ、って」

── 2度かぶり、みたいな。

ドン小西:「ホント、グローバル化で、地域の個性がなくなっちゃったよね」

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── グローバル対ローカルの図式ですね。

ドン小西:「グローバル化って考えようによっては恐ろしいよ。地球上のコストのいちばん安いところ、バングラデシュなんかで、どんどんモノをつくらせて。でも、バングラデシュでは売らないよ。ミラノやパリでコレクションをやってブランドの付加価値をグーッと上げておいて、いちばん高く売れるところで売る」

── まあ、それが資本主義ってことですもんね。中国人が日本で電化製品買ってうれしがっていますけど、実はそれ、中国製ですもんね。

ドン小西:「ファッション業界でも、いまやファストファッション(流行を取り入れつつも低価格なファッションブランド)が主流だよね。H&Mフォーエバー21がコストの安いところでつくって、PR戦略で有名アーティストとコラボレーションやって、東京あたりでドーン!と売る」

── 原宿なんか、もうファストファッション祭りですよ。でも、銀座への出店は、ちょっとまずいよ、と僕は思うんですけど。

ドン小西:「三重のド田舎がリトル・トーキョー化する。その一方で、銀座にはマツキヨはできる、ドン・キホーテ、H&M、フォーエバー21、ユニクロはできると。グローバル化で文化的な凸凹が、ならされてだんだん平たくなってきちゃったね」

── なんというか、国民総洗脳ですね。みんな同じ方向を向かせるっていう。

ドン小西:「ファッションだけじゃなくて政治だってそうじゃん。田中角栄とか、北海道の鈴木宗男みたいな、ああいう政治家は、もう生まれないよ」

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── いわゆるロックスター的な政治家ですよね。

ドン小西:「政治も、選挙に勝つため、政権が延命するための高効率を考えた環境づくりばかりで、国民や国をよくするための政治ではないよね。すべてがのっぺらぼうになっちゃった。女のからだもそうだなあ」

── えっ、女体までもが!

ドン小西:「キューッとインカーブ、アウトカーブで美しい曲線を描いてた女のからだがさ、ジーンズ・ブームとともにずんぐりむっくりになっちゃった」

── もう、世の中なにもかも、全部まとめて平たくなっちゃったと。

ドン小西:「グローバル化で全体的なアベレージは上がる。銀行やデパートや、田舎の町村が合併するのは、それによって無駄をなくそう、平均値を上げようということだからね。ただ、個々の個性というものは、なくなっていっちゃうね」

── 以前は、大阪と東京では若者ファッションも全然違いましたよね。まあ、大阪には、まだ「大阪のおばちゃん」がいますけど。

ドン小西:「それがさ、その大阪のおばちゃんが絶滅にひんしているんだな。テレビや雑誌で『大阪のおばちゃんはダサい』って言われてることを、大阪のおばちゃんたちが知ってしまった」

── 大阪のおばちゃんにも情報が落ちてくると(笑)。

ドン小西:「最近の大阪のおばちゃんは、タータンチェック着ちゃったりするからね」

── な、なんか、おしゃれな大阪のおばちゃん。

ドン小西:「でも、本来、大阪っていうのはグローバル化を拒否するエリアだから。偉そうなんだよな、あいつらは。東京出ても『大阪や! 大阪や!』って大阪弁でまくしたてて。田舎だってことをわかってないんだよ。東京に迎合すりゃあいいのに」

── アハハハハ!

ドン小西:「でも、こういう時代になってくると、逆にグローバル化の嵐の中で、大阪はようがんばったなと思う。結局、グローバル化の波に乗らなかったことで、破綻しちゃったんだけどさ。アイデンティティをきちんと継承しようと、がんばってるよね。大阪はこれからどんどんよくなるよ」

── 大阪がよくなったら、日本も元気になりそうですね。では、名古屋はどうでしょう?

ドン小西:「俺、仕事でしょっちゅう名古屋に行ってるんだけど、名古屋って、いっとき、ちょっとバブルだったじゃん」

── ずっとバブルですよね。トヨタがありますからね。

ドン小西:「でも、今ね、ガクッと来てるでしょ。それなのに、あいつら一向に反省してないんだよね」

── 名古屋は反省しない、と(笑)。そこはあくまで「名古屋」ということで、名古屋人ではなく。

ドン小西:「ニャゴヤだよ。ほんとに、えれぇー田舎もんだでいかんわ。日本人はさ、3つ持ってるものを2つしか持っていないフリというか、そういう慎ましさがいいんだよ。それが名古屋ってさ、3つしか持ってないものを6つ持ってるようなフリするからね」

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── それでこそ名古屋ですよ!

ドン小西:「名古屋で食事会や飲み会すると、おもしろいよ。みんなお互いにカッコつけてさ、大げさに紹介する。『こちらの方はね、トヨタの子孫で』とか」

── トヨタの子孫て!(笑)なんですか、そのプロフィール。

ドン小西:「『こちらの製品が、いまフランスで、えらい注目されててね』って。追及したら、たまたまフランス人が5、6個買っていったって、それだけ。『ご両親はイタリアでね』って、これも突っ込んでみたら、『イタリアに4日間行ってて。初めての海外旅行で』みたいな。ホントにそういうのが多い。もう、東海地区は全部ダメだね」

── 東海地区、全滅、と(笑)。ダメ出しが出たところで、小西さん、2011年のファッションで、これをやっちゃいけないっていうものはありますかね。

ドン小西:「あるよ。虚栄、見せかけ、似非。もう、そんな時代じゃないということだよ。だから、名古屋なんてとんでもないね。名古屋はここ数年で破綻するね」

── 「名古屋、虚栄により破綻!」。大予言ですね(苦笑)。東京はどうですか?

ドン小西:「東京は、ほかの地方都市と比べようがないよ。国際都市だから。中国における香港、アメリカにおけるニューヨークだね」

── ニューヨークはアメリカじゃないですからね。アメリカ人じゃなくてニューヨーカーですもんね。

ドン小西:「メイド・インUSAが売っているわけでもないし、人種も多様。東京もそうなってきている。東京に住む人間はバイリンガルじゃなきゃダメだよな。そういう都市なんだよ。だから、東京で日本の政治をしちゃいかんよね。遷都しなきゃいけないと思う。ニューヨークでアメリカの政治は語れないでしょ。ペンシルベニア州の情勢は全然違う」

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── ペンシルベニア州って、日本で言うと岐阜みたいなもんですかね(笑)。では、遷都するならどこでしょう? 三重なんかどうですかね?

ドン小西:「その三重なんだけどさ、知事が、今季限りの退任を表明したんだよ。で、俺のところにさ、中日新聞から何から『知事選出ませんか?』って、うるさくてしょうがない」

── ドン小西、ついに出馬か?(笑)

ドン小西:「でも、東京の仕事を全部切って、それに対する等価交換ができるかっていったらさ、できないよね。それに俺はよく知ってるけど、とにかく体質が古い。いまだに談合やってるよ。みんな親戚だったり。まあ、どこでもみんな改革には苦労してるよね。大阪の橋下知事も、(元・長野県知事の)田中康夫もそうだったよね」

── 小西新知事が誕生したら、三重は、もっと明るくなるかもしれない。

ドン小西:「ちゃんと身辺整理しておかないと(笑)」

── アハハハハ! 過去数十年にさかのぼって。って、相当時間がかかりそうですね(笑)。


取材・構成:古川 智子(OCNジャーナル編集部) 協力:株式会社 サムデイ

保阪尚希 プロフィール

PROFILE
ドン小西(どん・こにし)

1950年10月、三重県生まれ。ファッションデザイナー小西良幸として、「FICCE」「YOSHIYUKI KONISHI」「d.k.f」などのブランドを手掛け、東京、ニューヨーク、ミラノでコレクションを発表。最近はテレビや雑誌などの辛口ファッションチェックで、日本のファッションシーンをリードする存在としてマルチに活躍している。 小西良幸オフィシャルブログ「ドン小西の水玉モード」 http://ameblo.jp/don-konishi/


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